円形キャノピーの魅力の一つは、丸い天蓋が落とす影の美しさにもある。山間の小さなこの町では、早く日が落ちる。はじめ地面に落ちていた影の曲線が、やがてじりじりと建物の壁をはい上がるように変化していく様子に思わず見とれてしまう。
写真ではわかりづらいが、よく見ると環状の照明装置の支柱への取り付け部に上方に伸ばした羽根のようなものがついている。
はるばる徳島まで行って、はじめて2本立っているのを見つけたが、昭和シェルの塗装に塗り替えられてしまっていたのにはがっかりした。これがMobilの塗装のままなら、どんなに美しかったことだろう。3ヶ月早ければ、まだMobil色だったそうだ。お店の方には何の責任もないのだが、残念でならない。
このキャノピーは支柱と天蓋の接合ハブ部分の直径が大きいのが特徴だ。
店舗のファサードに昭和30年代のMobilを特徴づけるV型の庇がついているところを見ると、最初キャノピーがなくて、あとから円形キャノピーを追加したのではないかと推測される。
市街の中心の三差路にあって、とてもよく目立つキャノピーだったが、ごらんのとおりシェルの塗装にかわってしまった。これもお店の人には申し訳ないが、本当に無念な気持ちでいっぱいだ。
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