● なによりもこのデザインはMobilならではのものであり、このキャノピーが見えただけでMobilのステーションがそこにあることが遠くからわかる。昨年、徳島県の特約代理店がMobilから昭和シェルに乗り換えたときに、その傘下にあったステーションが、やむを得ずこの雨傘をシェルの塗装パターンに塗り替えたが、どうしようもない違和感が生じてしまった。これは単純なようで、実は周到に計算された微妙なデザインだったのである。
● いまとなっては正確な数字を知るすべもないが、この白い雨傘は最盛期でも日本国内におそらく200本も存在しなかったのではないかと思われる。2008年7月現在、関東地方では廃止店舗に残されているものも含めて、確認できているのは群馬1、栃木1、茨城5、千葉3、埼玉3の計13本である。その他の地方でも数本の存在を確認しているが、現存するものは多く見積もっても30本もないだろう。その1本に巡りあうたびに、私はしあわせな気分になれる。せめていま残っている白い雨傘をすべてを見てみたい、それが夢だ。
● それでは「白い雨傘」のコレクション・アルバムをご覧ください。