このスタンドは写真の右方に道路をはさんでセールスルームがあり、かつてはそちら側にももう1本、同じ円形キャノピーが立っていたそうだ。現在は店舗を改築したのでこの1本だけが残っているが、計量器も立派に働いている。
天蓋のパネルが36枚合わせなのがめずらしい。
雨水の始末など円形キャノピーの構造上の欠点をいろいろ教えてもらったのがこのスタンド。ご主人がマメというかキレイ好きな人で、いろいろなところがよく磨かれていて行くたびに感心する。 看板も計量器もどれも新品同様にピカピカに光っているのでその秘訣を聞くと、
「なーに、車用のワックスを毎日かけてるだけさぁ。」
なるほどワックスがけならプロの仕事だ。
なんど見ても、この給油所はいい。キャノピーがプロペラになっていて、このままスタンドごと大空に飛び立っていきそうだ。店舗は北面しているので、普通なら写真に撮りにくい条件だが、円形キャノピーは影までもが美しい。
いちど夕焼けのときにしみじみ眺めてみたい給油所だ。

おそらく日本国内で唯一、3本を配備した店舗だったと思われるが、残念ながら2008年5月に閉店した。
最初に出会ったときは本当に感動して言葉もなかった。
「うちだって、いつまでもやってないかもしれないからねー。」とお店の人は冗談めかして言っていたが、そのわずか2ヶ月後に閉店してしまった。なにも知らずに再訪してみて閉店を知ったときには、こんどは悲しくてしばらく動けなかった。

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