最後に挨拶

ガソリンスタンド・ノートの09年2月15日のアルバムで紹介した茨城県のESSO給油所を久しぶりに訪れた。前回の訪問も真冬のよく晴れた日だったが、今回も抜けるような青空がまぶしくて目を細めないといられないくらいだ。

ra1到着してまず気が付いたのは、計量器が一台、新しいものに入れ替えられていたこと。前の計量器も味わいがあったが、新しい機械が入って給油所の活気が見えるようでちょっとうれしくなった。

ところがセールスルームに挨拶に入っていくと、「ああ、よく来てくれました。実は連絡しようと思っていたところなんですよ。」と意外な言葉。聞けばESSOとの契約が年内で打ち切りになり、楕円のサインポストも降ろしてしまうのだという。新年からはプライベートブランドで営業を続けていくが、セールスルームの外壁も入れ替えたばかりの計量器も、ESSOの商標はすべて消されることになるらしい。ESSOが個人経営の給油所を整理にかかっているのはいまに始まったことではないが、この年末でブランド転換や廃業に追い込まれる個人経営のESSO給油所はかなりの数になると思われる。

この楕円のサインポストと階段状の防火壁の組み合わせが生むどことなくエキゾチックな風景が好きだったのだが、これを見られるのももう今日が最後だと思うと悲しくなった。店を退去する前に、このサインポストを見上げて最後の挨拶をした。思えば子供の頃、父親に連れられて給油に行くたびに、車の中からこのESSOの楕円の看板をずっと見上げていたのだった。