アルバム2011年2月6日「7号ロマンティック」を追加
この給油所は日本海側でも有数の古い港町の入口にあって、市内に向かう古い往来とバイパスの岐路に建っている。かつては敷地の中に大きな時計塔があり、陸羽浜街道を行く長距離トラックの運転手はその時計と独特の形状をしたキャノピーを、ランドマークにしていたという。この給油所から市街中心部までの短い距離の間に、最盛期は13もの給油所があったそうだが、現在は3つしか残っていない。
40年以上も前に、この巨大なくちびるのようなキャノピーを作らせた人の気持ちに想いをはせる。それはまるで風の強い庄内平野を走ってきた人、帰ってくる人を温かく迎えてにっこりと微笑む口元のようだ。