その名の通り、アイルランドの古い城郭の一角にある自動車修理工場。お城の脇の長屋のような部分が商店や飲食店にテナントとして供されていて、その一番奥の小さな門を利用して修理工場がビジネスをしている。もともとはここから馬が騎士を乗せて続々と出入りしていた門のようで、いわば厩門である。
かつてはその門の内側に厩舎があったのだろう。古くは馬が、いまは自動車が出入りしているのだから、それはそれで理にかなっている。
門の脇に並んでいる古い計量器はいまは壊れて使われていない。 中に入って経営者にいつごろからここでビジネスをしているのか聞いてみたところ、ほんの数年前からだというので拍子抜けしたが、どうやらその前も別のオーナーが長年同じ工場を経営していたらしく、彼がそのビジネスの権利を引き継いで始めたのが数年前ということらしい。
城門のアーチの上に掲げられたCASTLE GARAGEの文字は、直線の板を組み合わせてペンキを塗っただけのものだが、なんともいえない素朴な雰囲気を出している。みればみるほど味わいのある建物だったが、あいにくの雨でいい写真が撮れなかったのが残念だ。ぜひもう一度、気候のよい時期に再訪してみたいと思った。