9月11日に深川東京モダン館で開催された「江東ドボクマッピング 第3回『橋』」を聴講しに行ってきた。講師は八馬智さん。2時間という長いレクチャーだったが、土木工学的視点からマニア目線まで、最後はジャンクションも登場する実にバラエティーに富んだ濃い内容のものだった。

レクチャーの中で「河川のもっとも下流に架かっている橋(河口橋)はその川の顔です」という話があった。なるほど。隅田川で言うと、勝鬨橋が1940年に完成する前は永代橋(1926)がその役を担っていたということになる。たしかに勝鬨橋も永代橋も、その上流の清洲橋も日本を代表する都市橋梁であり、その姿も見目麗しく、造形的にもまた土木工学的にも記念すべき建築遺産であるのは言うまでもない。

だが、見た目の美しさだけが建造物の魅力ではない。美しさを感じるポイントも人によって同じではない。まあ隅田川の下流はお江戸の華とでもいうべきエリアだから、わざわざ逆らうつもりはないのだが、たとえば川幅の狭い上流の町屋や千住あたりにこんな橋のひとつも架かっていれば、自分ならたぶんこっちのほうに肩入れして、足しげく眺めに通ってしまうと思うのだ。

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あるいはもうちょっと川幅のある言問橋(1928)あたりに、こういうのが架橋されていたらどうだろう。

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どうです。これなら用もないのにときどき見に行きたくなると思いませんか。自分は工場はごちゃごちゃした剥き出しのプラント的なものよりも、ソリッドでマッシブな質量感のあるもののほうがどちらかというと好きなんだけど、橋梁に関しては武骨なもののほうが好きなようだ。
この橋はアメリカ・オレゴン州最大の都市ポートランドの市街地を流れるWillamette川にかかるその名もずばり「Steel Bridge」。1912年竣工だから今年で御歳98になられる。

こんな洋物趣味の不細工な橋を、美しい隅田川に架けるなんてとんでもないこととお叱りをうけるかもしれない。言問橋のあたりは桜の名所で、こんなものがあったら景観ぶち壊しだと言われるだろう。

そうですか。桜橋(1985)よりはこういう橋のほうが味わいがあっていいと思うんですがね。え?桜に似あわない?じゃ、ほんとにそうかどうか見てみましょうか。

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いやぁ、スポーツ用アンダーウェアみたいな桜橋よりもこっちのほうがぜったいいいと思うんだけどなあ。これに比べれば、スカイツリーとかオモチャだよ。オモチャ。