那覇空港から市内中心部に向かう道を逸れて、南のほうに延びる古い県道沿いにひっそりと建っている美容室。典型的な沖縄の古い民家の道路に面した部分を店舗として増築したもののようだ。低くブロックで囲った塀の切れ目が二つあるところから推測すると、かつては小さな店舗が二つ並んでいたようにも見てとれるが、それにしては店舗スペースが狭い。
左側はレンガタイル、右側はモルタル塗りで仕上げてあるが、仕切りのような真ん中のリブは本物のレンガを積んだもののようである。右側のクリーム色の扉のような部分は、下部をイミテーションのレンガ模様で合わせてある。また左右半分ともに同寸のガラスブロックを使っているが、仕上げが微妙に異り同時期に施工されたものではないようだ。
ブロック塀はよくみると右側の切れ目の周囲が新しく、右側の入口は後から作られたようにも推測される。いずれにせよ、どういう経緯で最終的にこのような姿になったものか、想像が尽きない。

【補足】
上に掲げた2枚の写真は2016年1月に撮影したものだが、この場所をGoogle StreetViewで確認すると、2010年9月、2010年10月、2014年5月、2015年11月の4度撮影されている。
最も古い2010年9月の撮影では、現在右半分が失われている装飾テントは、左右ともに同じオレンジのテントだったことがわかる。また右側の入口は、現在の左側と同じようなシャッターがついており、現在の右側のクリーム色の扉のような部分は、その後2010年から2014年の間に出入口を塞ぐように取り付けられたことを示している。

もっとも夏に近い時期に撮影されたこの2010年9月のStreetView写真では、色とりどりの花が咲き、緑濃く葉が繁り、鮮やかな壁の塗装とも相まってその一画だけが箱庭のような賑わいを見せている。