これまで多くの美容室や床屋を紹介してきたが、年季の入った古い建築だけを愛で、新しいものをすべて否定しているわけではない。
これは東京郊外の古い街道を走っていて、たまたま見かけた理容室。まるでアメリカ東海岸New England地方の避暑地にある小さな町のような光景だ。
建物のすみずみまで、置かれているもののひとつひとつにまで、オーナーの嗜好と意志がはっきりと具現化されている。それでいて過剰なものが一切ない。好きなスタイルを表現するために、あえて切り捨てたものがたくさんあったことがよくわかる。
ちょっと遠い場所だったが、いつか客としてまた訪れてみたい気持ちになった。