アイルランド共和国はヨーロッパの西辺にあって、20年ほど前まではヨーロッパの最貧国の一つと言われた国である。しかしそこに暮らす人々の表情は屈託なく、訪れる人を暖かく迎え入れ、はじめて訪ねた土地でありながらずっと前から知っていた場所のような居心地のよさを感じさせてくれる国だ。

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これは10年以上前にアイルランドを旅行したときに撮った写真。食料品店の窓に板が打ち付けられ、そこにあたかも商品が陳列してあるかのように素朴な絵が描いてあった。寂しいショウウィンドウにせめてもの賑わいを加えたいと考えたのか、それとも地元で多少絵に心得のある若い人が絵筆を奮うことができる場所を店主が提供してくれたのかわからない。だが、この素朴な筆致にはどこか心休まるものを感じる。

ときどき思い出してはこの写真を見るたびに、またアイルランドに行きたくなる。