秋は古くて小さな工場を探して旅をするのに最適な季節だ。

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工場にもいろんな種類があるが、自分はこういう工場が好きだ。子どもの頃、遊んで帰る道で見上げた夕陽に照らされた工場の屋根の記憶がいまでも強く残っているからだろうか。日が暮れてサイレンが鳴ると、タオルを首にかけた工員さんが自転車でぞろぞろと退勤していくような工場がいい。

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このノコギリ屋根の工場は北陸地方のある小さな町で見かけた木造の建物。一見すると紡績工場のように見えるが、実は電気部品を製造している。3年前に写真を撮ったときは、いずれ遠からず取り壊されるのではないかと思うほど古びていた。
ところが今年再訪してみると、木造の構造はそのままに、すっかりきれいに改修されていた。古い煙突は取り壊されたようだが、こんどは空調も完備して、快適な工場に生まれ変わったようだ。

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歴史あるレンガ造りの工場は産業遺産だ、世界遺産だと注目されることが多いが、このような木造の工場にきちんと人の手が入って、いつまでも大切に使われている姿がかえりみられる例は少ない。傍らを流れる川の護岸工事も施され、地盤の対策も万全のようだ。この工場はまだまだ現役で稼働していくのだろう。