これは山口県の小さな田舎町で、偶然通りかかったカラオケスナックの看板だ。

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どう見ても、もはや道という字の原型を留めていないのに、それでも道としか読めないその字崩しの妙はすばらしいが、さらに驚くべきことにこの図案の中には、カタカナとひらがなで「ミち」の二文字も潜ませてあるのだ。
くちゃくちゃっとした赤ちゃんの握りこぶしを連想させるような、あるいはお母さんが赤ちゃんを抱き上げているようなこの字をしばらく眺めていると、昨年静岡県のとある町の裏通りで見かけた肉屋の看板のことを思いだした。

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世の中には巨額のギャラをもらってロクでもないコーポレート・ロゴを作る売れっ子デザイナーもいれば、このように地方の片隅で、おそらくはわずかな制作費で、一目見ただけで長く記憶に残るような看板を地道に作っている職人もいる。誰が作ったかわからないものこそ美しい。