tsuru

撮影して未整理のままになっているデータの中に、古い店舗の写真を見つけた。撮影したのは1年半前のことで、その店舗のことはすっかり忘れていた。
その日のことを思いだしてみると、これは古い支那ソバ屋だったのではないかと、立ち止まってシャッターを切ったような記憶がある。正面の引き戸の上に欄間のようにはめこまれた細工や、木製窓枠の隅の造形、さらには矢羽根模様にはめ込まれた腰板など、簡素な木造建築だがいろいろと工夫をこらして遊んでいるのが印象的な店舗建築だった。

ふと、この街に住んでいる友人がいたのを思いだして、twitterでこの写真を見せて、元は何の店だったのか知らないだろうかと訊ねてみた。友人は地元で宴会の最中だったようだが、ちょうど宴席に居合わせた人々から、かつてこの建物がなんと美容室だったという予想もしなかった情報がもたらされた。

そう言われてみれば、採光性を考えたガラス窓の配置や腰板の造作は、かなり古い美容室建築の様式に似ている。しかし無意識に向けたレンズが、またしても、そして相も変わらず美容室をとらえていたとは、自分でも驚きだ。

【追記】
その翌日、友人から新しい地元情報が寄せられた。この美容室は元「富士屋パーマ店」という屋号だったとのこと。市内で最初に開業した美容院で、この店で修業した女性達がその後続々と市内や近郊で美容院を開いていったそうだ。